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コンピュータ 2026/6/18

平均では足りているのに、なぜ行列が伸びる?

「平均では処理能力に余裕があるのに、なぜ待ち時間が生まれるの?」

平均の処理能力が足りていても、到着間隔にばらつきがあると行列が生まれるしくみを、動くシミュレーションで確かめます。

10分で見る、1つの窓口の行列

10分間に平均8人が来て、同じ10分間に10人を処理できる。

数字だけを見れば余裕があるはずなのに、なぜ列ができるのでしょうか。

到着するペースと、そのばらつきを動かして、待ち時間が生まれるしくみを確かめます。

まず予想してみよう

初期条件は、10分あたり平均8人が来て、10分あたり10人を処理できる1つの窓口です。

到着間隔のばらつきは「大きくばらつく」にして、60分間を観察します。

平均では2人分の余裕があります。この1時間に、行列はできると思いますか。

さわって確かめる

下の模型では、窓口は1つです。先に来た人から順番に処理し、処理時間は全員同じにしています。

変えるのは、来る人数、処理できる人数、来る間隔のばらつきだけです。

Touch

1つの窓口で順番に処理する模型

到着ペース、処理能力、来る間隔のばらつきを変えて、待ち人数がどう動くかを見ます。

まず予想してみよう

平均では2人分の余裕があります。この1時間に、行列はできると思いますか?

予想に正解・不正解は付けません。結果を見たあとに、あなたの予想と比べます。

来る間隔のばらつき

比較しやすいように、同じ条件では同じ1時間を再現します。処理能力だけを変えると、同じ到着パターンで比べられます。

平均負荷80%

平均では処理能力に余裕があります。ただし、到着が重なると一時的な列ができます。

0分の状態

いま窓口は空いています。

現在時刻
0
現在待っている人数
0
窓口の状態
空き
ここまでに処理を終えた人数
0
ここまでに到着した人数
0

待ち人数の推移

横軸は経過時間、縦軸は待っている人数です。縦線が今見ている時刻です。

60分間の待ち人数の推移最大待ち人数は9人です。現在0分では0人が待っています。05903060経過時間(分)待っている人数
最大待ち人数9
平均待ち時間2.8分
最大待ち時間8.3分
60分間に来た人数50
60分時点で処理中または待っている人数2

平均待ち時間は、60分までに到着した人が処理を開始するまでに待つ時間です。60分時点でまだ待っている人も、予定される処理開始までの待ち時間に含めています。

現在のばらつき: 大きくばらつく。この条件では最大待ち人数が9、平均待ち時間が2.8分です。

何が起きた?

「平均8人」という数字は、10分ごとに必ず8人が等間隔で来る、という意味ではありません。

しばらく誰も来なかったあとに、数人が続けて来ることもあります。

窓口は一度に1人しか処理できないため、まとまって来た分は列になります。

そのあと到着が少ない時間があれば列は減りますが、処理能力の余裕が小さいほど、できた列を解消するまで時間がかかります。

しくみを解く

1. 平均は、来る時刻を約束しない

平均8人という数字だけでは、8人が等間隔で来るのか、短い時間にまとまって来るのかは分かりません。

合計や平均が同じでも、来る時刻が違えば待ち時間は変わります。

2. まとまって来た分が列になる

窓口が1分に1人処理できるときに、ほぼ同時に5人来れば、最後の人は前の4人を待つことになります。

処理能力の平均が足りていても、同じ瞬間に複数人を処理できるわけではありません。

3. 余裕は、できた列を減らすために使われる

到着より処理のほうが少し速ければ、人があまり来ない時間に列を減らせます。

一方、平均負荷が100%に近いと、列を減らすための余裕がほとんどありません。

処理能力の余裕は、何もしていない無駄な時間ではなく、ばらつきを吸収する役割も持っています。

この単純な模型の中で、条件を動かしながら確かめます。

もう一度さわって確かめる

ミッション1:ばらつきだけを変える

来る人数を8人 / 10分、処理能力を10人 / 10分のままにします。

「ほぼ一定」と「大きくばらつく」を切り替えると、最大待ち人数と平均待ち時間はどう変わるでしょうか。

ミッション2:列を短くする余裕を探す

来る人数を8人 / 10分、ばらつきを「大きくばらつく」にします。

処理能力だけを増やして、この1時間の平均待ち時間を1分未満にするには、10分あたり何人処理できればよいかを探します。

固定した1時間で比べています。どんな行列でもこの処理能力なら十分、という一般的な結論ではありません。

今日覚えること

平均の処理能力が到着ペースを上回っていても、人や仕事がまとまって来ると、一時的な列ができます。

処理能力の余裕は、できた列を減らし、ばらつきを吸収するためにも使われます。

平均負荷が100%に近いほど、一度できた列は解消しにくくなります。

この模型で省いたもの

このWeb実験は、到着間隔のばらつきに焦点を当てた学習用の単純な模型です。

窓口は1つ、先着順、処理時間は一定としています。

実際のレジ、病院、コールセンター、通信システムなどでは、複数の窓口、処理時間の違い、優先順位、途中離脱、休止、時間帯による到着数の変化なども影響します。

実際の人員配置や設備計画には、現場のデータと目的に合った分析が必要です。

参考・さらに学ぶ